英検1級 合格までの道のり編 3.Writing編(1次試験)
今回は、「英検1級 合格までの道のり編」第4弾であるWriting編です。
いよいよこのシリーズも折り返し地点になりましたね。
前回のListening編につきまして、想定の遥か上を行くスター(記事執筆地点で71個)を頂いて驚いております。皆さまありがとうございます!
今回はかなりの長編になります(気が付けば文字数が9,000字を超過していましたw)。執筆に時間がかかり、前回の投稿から間隔が空いてしまいました。
■英検1級 合格までの道のり編 目次
※執筆済みの記事につきましては、今後章を緑色に変更し、文字上をクリック頂ければアクセスできるよう仕様に変更致します。
(4/13追記)後半の2次試験編につきまして、目次構成を変更致しました。
(5/1追記)「7. あとがき」を追加しました。
3. Writing編(1次試験) ←当記事
Writing編 全体の構成
今回のWriting編では、以下の構成でお送りしてまいります。
章立てが多くなってしまいました。ごめんなさい・・・
Ⅰ. 試験の特徴把握
Ⅱ. 出題テーマの傾向把握
Ⅲ. 学習計画・目標点
Ⅳ. 導入・結論部分のテンプレートの設定
Ⅴ. 理由部分の「写経・音読」
Ⅵ. 理由部分の「骨子の把握」
Ⅶ. 試しに1問解いてみた
Ⅷ. 過去問6回分を解いてみた(Writing)
Ⅸ. その他の対策(番外編)
Ⅹ. 1次試験本番(Writing)
Ⅺ. 対策してよかったこと(成功点)・もっと真剣に取り組むべきだったこと(反省点)
おまけ. 試験にあたって励みになっていた楽曲シリーズ
私が実際に書いた英作文も含めて「ありのまま」を包み隠さずお伝えしていくつもりなのですが、年齢(対策当時24歳)不相応で幼稚な内容も多く含まれます。どうか温かい目で見守ってやって頂けますと幸いです。
むしろ、「こんなに思考が浅く、ヘタクソな文章を書くやつでも合格圏は狙えるんだ」と、読者の方々に勇気を与えられればとさえ思っております。笑
※上記はあくまで、2021年度地点での情報です。今後採点がより厳しくなる可能性は大いにあります。「適当に対策しても合格できる」ということを意図する記事ではございませんので、万全の対策をされたうえで受験されることをお勧めいたします。
Ⅰ. 試験の特徴把握
○英検1級Writingの試験形式
英検1級Writingの試験形式を、準1級と比較したものが下表になります。
「1つのトピックに対する小論文(Essay)を、指定された構成に沿って書く」という点は共通しており、1級の場合は準1級と比較して倍近くの文量を記述する必要があるということですね。ふむふむ。
重複無く、なおかつ自力で理由を3個挙げるのが難しそう・・・とぼんやり思っていたのを覚えています。
また、文量が増える分、配点も大きくなります。
英検のWritingでは下表の4項目から採点されるのですが、各項目の満点が準1級:4点 → 1級:8点に変更になります。
Ⅱ. 出題テーマの傾向把握
○どんなお題が出るのか?
↑こちらのサイトを参考に、過去にどのような内容のテーマが出題されたか、ざっくりと確認していきました。
5題ほどランダムに例示したいと思います。ネタバレを避けたい方は、この部分だけ飛ばしてください。
2016-1st
Agree or disagree: World peace is an achievable goal
(賛成か反対か:世界平和は実現可能な目標である)
2016-2nd
Should democratic nations actively promote the spread of democracy to nondemocratic nations?
(民主主義国家は、非民主主義国家に対する民主主義の普及を積極的に推進すべきか?)
2017-1st
Can restrictions on freedom of speech ever be justified?
(言論の自由に対する制限は正当化されるか?)
2017-3rd
Should Japan rethink its relationship with the United States?
(日本はアメリカとの関係性を考え直すべきか?)
2018-2nd
Has a university degree in the humanities lost its relevance in today’s world?
(人文系の大学の学位は、今日の世界において意味をなさなくなったか?)
問題を眺めた率直な感想は・・・
ぜんっぜん考えたこと無い話題ばっかり・・・日本語でも3種類理由を挙げて書ける自信が全くしない・・・。背景知識をある程度備えた上で挑まないと、デタラメを書くだけで終わってしまう気がする・・・
(中高生であればまだしも、20代にもなってこの言いようではお恥ずかしい限りですが、ご愛嬌。)
Ⅲ. 学習計画・目標点
○Writing対策にはかなりの時間を割きました
Writingについては、過去問を解くだけでなく、事前にかなり対策を練る必要があると考えました(実際に行った対策の概要は後述します)。
Ⅱ. に示した率直な感想に加えて、Writingを重要視すべきと考えた理由が3点ございます。
理由1. Writing無回答では合格不可能
「極端な話、Reading・Listeningで超高得点を叩き出せば、Writingで何も書けなくても受かるのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、CSEスコア導入前(2015年度以前)はそのやり方でも合格できる可能性はありました。
しかし、現在の評価制度では、Writingを白紙で提出して合格することは絶対に不可能です(下図参照)。
↑Reading・Listeningが満点で、Writingが0点の場合の評価(2015年度以前・2016年度以降別)
2016年度以降は、3技能の得点が均等に配分される形式に変更になりました。
これが意味することは、極端に劣る技能が1つでもあれば、合格が非常に難しくなる仕様に変わった、ということです。
それもそのはず。「英検は4技能のレベルを測定できる試験である」ということを謳っておきながら、1技能でも能力が著しく欠落している受験者でも合格できてしまうシステムがまかり通るのはよろしくないですよね。
理由2. Writingは点数が取りやすい(場合が多い)
↑こちらのブログ記事を参照したところ、2016・2017年度(いずれも、現行と同じ評価制度)の6回分における、各技能の受験者全体平均得点率は以下の通りであることを確認しました。
執筆された方、貴重な情報提供ありがとうございます。
・Reading:53%
・Listening:62%
・Writing:67%
したがって、Writingは平均点が3技能の中で最も高い傾向にあるんですね。
対策さえすれば伸びが大きい技能かも?と、少し前向きになれました。
理由3. Writingの対策は、2次試験(Speaking)対策に直結する
難関の1次試験に合格しても、次にはラスボスである2次試験(Speaking)が待っています。
そこでは、1級Writingと類似のテーマについて、ほぼ即興で2分間淀みなくスピーチすることが求められます。
そのため、Writingを1次試験の段階でしっかり対策しておけば、2次試験で有利になるのでは?と考えました(私の場合、結果として2度不合格になることになったのですが・・・)。
○学習計画(概要)
Writingについては力を入れる必要があると危機感を覚えたうえ、自力で対策をするのは難しいと考えたため、英検1級Writingに特化した参考書を1冊購入し、それに基づいて勉強することにしました。
著書名は、『英検1級 最短合格! 英作文問題完全制覇』(ジャパンタイムズ)
この参考書を使い、頻出のテーマを把握し、その話題について文章を作ることが出来るように練習する計画を立てました。
大まかには、以下の4段階を踏むことにしました。
①理由部分の文章を写経・音読
②理由部分の文章の骨子を把握
③参考書内の例題を1問解いてみる
④過去問(6回分)を解く
(詳細については、Ⅴ~Ⅷにて後述)
○目標点
Writingは択一式ではなく記述式なので、自己採点が出来ません。そのため、目標値設定に少し悩みました。
「Writingは点数が取りやすい(先述の通り)」「3技能の平均得点率が75%を超えればほぼ確実に合格」という情報を得ていたため、Reading・Listeningにおける目標点との整合性を考慮しながら、エイヤーで以下の通り設定しました。
・Reading:32 / 41 (78%)
・Listening:19 / 27 (70%)
・Writing:26 / 32 (81%)
Ⅳ. 導入・結論部分のテンプレートの設定
○時間短縮の必要
Ⅲ.でご紹介した参考書を開いたところ、以下の記述がありました(引用部分は” ”で示します)。
“筆記試験全体の解答時間は100分で、そのうち英作文問題(筆記大問4)にかける時間は指定されていません。しかし、語彙問題や読解問題にかける時間を確保することを考えると、筆記大問4は、25分で解答することを目標とするとよいでしょう。”
25分という時間感覚があまりピンと来なかったので、2019年度に準1級を受験した地点で私がWritingにどれだけ時間をかけていたか確認してみました。
問題用紙に記入された殴り書きのメモをチェックした結果、22分かかっていました。
120~150語の記述でこれだけ時間が掛かっています。200~240語を25分で記述するためには、相当時間を短縮しないといけないということになりますね。
そこで私が取った戦略は、導入・結論部分に記述する内容を毎回同じにしてしまい、理由部分を記入する時間を稼ぐ、という方法です。
(テンプレートを決めつつも、時々一部を書き換えることはありましたが・・・)
○実際に使用したテンプレート
↑こちらのブログを参考に、以下の通りテンプレートを設定しました(こちらを使用して29 / 32点(91%)が出たそうです)。
【導入(introduction)】
There have been a lot of discussion and debates about (テーマ).
I think that (賛成 or 反対) for the following three reasons.
【結論(conclusion)】
In conclusion, (賛成 or 反対).
Ⅴ. 理由部分の「写経・音読」
○参考書の「コンテンツブロック」を参考に
Ⅲ.でお示しした参考書内には、答案の理由部分を構成するのに便利なコンテンツブロック(以下、CBとします)が212種類も掲載されています。
CBとは、ある特定のテーマに関するエッセイを書く場合、このような文章を各理由部分に埋め込めばいい、といった解答例のことです。いわゆる「理由部分の模範解答例の寄せ集め」のようなものですね。各CB別に、50~70語前後で書かれています。
※実際の文章をお見せしたいところですが、著作権の関係によりブログ上では割愛致します。気になられた方は、書店で手に取ってご覧になってみてください。
当然、これらのCBは英検1級のWritingで頻出のトピックに対応することを想定して作られているため、まずは全体をざっくりと眺め、どのような範囲の話題が出やすいのかを把握していきました。
○CBの写経・音読
Ⅳ.でご説明した通り、英検1級のWritingではスピード感が要求されます。それに慣れることができるよう、まずはCBをノートに書き写す作業から始めました(そこからかいw)。
それと並行して、各CBの音読もしていきました。2次試験ではこれらの内容を「実際に話す」ことが求められますし、文字列の情報のみよりも音声を交えたほうが、内容を頭に刷り込んでいくのに効果的であると考えました。
(参考:この著書の優れている点)
この参考書内に掲載されているCBの文章が非常にシンプル(英検2級Reading長文と同程度?)であることが、個人的にはかなり助けになりました。英作文の対策を真剣にしたのは今回が初めてであることに加えて、英検協会が公式に提示する模範解答はレベルが高すぎて、私には手が届かないためです。
英検1級の英作文では、難解な文章を書かずとも合格ラインは余裕で突破できるようです。
後で知ったことなのですが、中学レベルのみで英作文を書いても25 / 32(78%)が出た事例があったようです。
ちなみに25点は、概ね合格者の平均点と同じ水準だそうです。
Ⅵ. 理由部分の「骨子の把握」
○CBの骨子を覚えていく作業
212種類のCBに書かれている内容を概ね把握した段階で、試験本番にアイディアを考える時間を極力省く(=CBの内容をそのまま使えるようになる)ために、どのような論理展開で各CBが書かれているのかを覚えていきました。
ただあくまで、「文章の丸暗記」をするのではなく、「流れを把握する」ことに注力するよう注意しました。自然な表現を書けるようになる、という意味では丸暗記も一つのやり方ではあるとは思いますが、それでは試験本番までに間に合わないと考えたためです。
Ⅶ. 試しに1問解いてみた
CBの骨子をある程度覚えたところで、参考書内の練習問題(30題)から無作為に1問選出し、実際に作文してみました。
お題は以下の通り。30分を目標時間とし、どの程度の時間が掛かるのか試してみました。結果は32分(2分超過)。うーん、難しい・・・
Should rich people be required to pay higher taxes?
(富裕層の税負担を重くすべきか?)
私が実際に書いた解答は以下の通りです。
これからお示しする過去問6回分の解答にも当てはまることですが、文法・語彙・内容ともにツッコミどころ満載の文章ですね・・・
【内容の要約】
結論:Agree
①貧困層の相対的な税負担の増大を防げる
②経済格差の是正
③政府の税収増
【後日談】
こちらの文章をTwitterに投稿したところ、英語ディベートが相当強い友人が丁寧に読んでくれ、アドバイスを貰えました(念のため、本人に承諾を得て書いていますw)。
内容は以下の通り。
・progressive tax(累進課税)という言葉を使えれば、非常にスマート。
・累進課税ありきで議論が進んでいる点が気になる。税をたくさん集める方法は他にもあるはず。理由の順番を③→①→②にすれば、「税収の安定確保のための手段」という形で累進課税を位置付けられる。
まさに「目から鱗」でした。理由を思いついた順に並べ、急いで書いた文章だったので、ここまで頭が回りませんでした。
彼とは頻繁に会って遊んでいるのですが、その度に2次試験対策について色々と相談に乗ってもらっていました。また合格報告した時には、盛大に祝ってくれました。本当にありがとう。
Ⅷ. 過去問6回分を解いてみた(Writing)
ここからは、ひたすら実践あるのみ。Reading・Listeningと合わせて、過去問6回分を解きました。
各回で実際に私が書いた解答を、以下に添付します(原稿の下に、内容の要約を記します)。今読み返すのが少し恥ずかしいまであるのですが、ここは敢えて着飾らずにありのままを公開します。
取り敢えず、指定された語数は全ての回で守れているので、及第点としましょう(?)
※解答用紙をスキャンしながら気付いたのですが、初っ端から初歩的な文法ミスをやってしまっていますね。しかも6回分全てで。変な癖が付いたまま、流れ作業のようにテンプレートを書いているとこうなります。苦笑
There has been…と始まっていますが、正しくはThere have been…です(後ろにa lot ofが続くので)。
おそらく、試験本番でもこのミスは引きずっています。「文法」の項目で減点されていることでしょう。
2018-3rd
Is a worldwide ban on weapons of mass destruction an attainable goal?
(大量破壊兵器の世界的禁止は達成可能な目標か?)
【内容の要約】
結論:Disagree
②武器ビジネスのまん延
③政府に気付かれず、大量破壊兵器を開発する団体(例:地下鉄サリン事件)
2019-1st
Agree or disagree: Infectious diseases will become a bigger problem in the coming decades
(賛成か反対か:感染症は今後数十年でさらに大きな問題になる)
【内容の要約】
結論:Agree
①未知のウイルスが現れた時、拡散を止める方法をすぐに究明できない
②変異株が頻繁に登場
③経済活動の停滞
2019-2nd
Is space exploration worth the cost?
(宇宙開発はコストに見合うか?)
【内容の要約】
結論:Agree
①地球温暖化を抑制するための重要な情報をもたらす
②宇宙ゴミが地球に落下する前に、被害を防ぐための対策が取れる
③GPSの精度向上に貢献
2019-3rd
Can renewable energy sources replace fossil fuels?
【内容の要約】
結論:Disagree
①再生可能エネルギーによって発電される電力の密度が低い(化石燃料比)
②主要となるエネルギー源を(再生可能エネルギーに)取って代えるのには、莫大な時間・コスト
③より多くの化石燃料を採掘する技術の発達
2020-1st
Agree or disagree: Improving relations with other Asian nations should be a priority for the Japanese government
(賛成か反対か:ほかのアジア諸国との関係改善が日本政府にとって優先事項であるべきだ)
【内容の要約】
結論:Disagree
①アジア諸国には、日本を攻撃しようとしている国がある
②在日外国人の犯罪率の高さ
③外交よりも、日本人のための対策を優先すべき
2020-2nd
Agree or disagree: Global overpopulation is a serious threat to the future of humankind
(賛成か反対か:世界的な人口過剰は人類の未来への深刻な脅威である)
【内容の要約】
結論:Agree
①食糧不足の加速
②大気汚染の加速
③感染症のまん延リスク増大
Ⅸ. その他の対策(番外編)
○出題テーマの派生
ここまででご説明した対策のみでは、本番でひねった問題が出題された際に太刀打ちできなくなります。変化球が投げられた時であっても、「何も意見が浮かばない状況を避ける」ことが非常に重要だと考えました(字数不足だと大幅減点になるので・・・)。
そこで、可能な限り広い範囲の問題に対応できるようにするための工夫をしました。
具体的な対策例は、以下の通りです。
過去問・参考書内の例題のトピックを派生させた問題を自作し、それに対する英作文を書いてみる(問題の自作が難しい場合は、2次試験の過去問を参考にし、関連問題を探す)
(例)過去問”Can renewable energy sources replace fossil fuels?” の場合
派生させた問題の例 “Can the world live without oil?” “Is the solar power the energy of the future?”
後になって分かったのですが、このやり方は2次試験対策にも非常に有効に働きました(詳しくは、後日2次試験編で詳しくお伝えしたいと思います)。
○1行に記入する語数を指定する
これは試験本番直前に気付いたことなので、練習の段階では実践できなかったのですが、
「文字数カウントするのに意外と時間掛かるな・・・(今更)」
200~240語を数えるだけでも、1~2分のタイムロスになることに気付きました。それを避けるために、1行当たり10単語記入すると決めることにしました。
Ⅹ. 1次試験本番(Writing)
これらの対策を施したうえで挑んだ試験本番。
結論から申し上げますと、見事にシバき倒されました・・・
ずばり点数は、22 / 32 (69%)
目標の26点(81%)には全然及ばずでしたね。
気になるお題ですが、予想の斜め上のものが来て戦意を喪失しました。苦笑
Are economic sanctions a useful foreign-policy tool?
(経済制裁は便利な外交手段であるか?)
経済制裁が何を意味するかはぼんやり分かるけれど、メリット・デメリットを考えたことが1ミリもなかった・・・やばいどうしよう・・・
こんな思考が脳内をめぐり、時間だけが過ぎていきました。
お題に少しでもかすればいい。これで点が取れなければ仕方ない。
そう割り切って考え、メリット・デメリットを思いつくままに箇条書きで問題用紙にメモしました。
先に3種類の理由が思いついたDisagree側の立場で、何とか語数は埋めたという感じです。
今見直すと結構デタラメなことを書いていますねw
ちなみに右側の表は、各段落の語数です。全体で215語記述したようです。
私が書いた詳細な文章は、問題用紙にメモする余裕がなかったため残っていません。ごめんなさい。
上記のメモ書きの内容に従って書いた場合、項目別に以下のような点数が付きました。
結構的外れなことを書いていたので、やはり「内容」で大減点を食らっていますね。。猛省。
【後日談】
上記の問題は、やはり普段と比較して難しかったようです。苦戦したのは私だけではなかったと安心する一方で、「自分の不出来を正当化すな」というツッコミが聞こえてきそうですw
まずは客観的なデータとして、平均点を見ていきましょう。
私が受験した回のWritingの平均得点率は、62~63%といったところでしょうか。Ⅲ.でお示ししたもの(67%)よりも低い値になっていることが分かります。
また、英検1級満点取得の実績がある一ノ瀬先生も、この回のWritingは難しかったと仰っていました。
英検1級終了!
— 一ノ瀬 安(英語講師) (@Anichinose) 2021年5月30日
みなさん、どうでしたか?
英作文のテーマ、難しかったですね。
以下が私が選んだ答えです。正解とは限らないのでご注意下さい
READING
大問1
324423211
123211442
3141332
大問2
423
142
大問3
132
432
4313#英検一級 #解答
↑こちらの動画では、詳しく感想を述べられていたのですが、一部を切り抜いたものが以下になります(6分10秒頃~)。
“テーマに泣かされた人結構いるんじゃないですかね。Questionの中にこんなに難しい表現出すか?って感じでしたよね。単語自体も難しいし、知識も無いとなかなか良いものが書けないテーマだったと思います。だから、「英語力はあるけど、経済とかの知識が無い小中学生」にとっては大変だったんじゃないかと思いますね。(中略) どういう具体例を書こうかずっと考えていて。でも、理由がなかなか3つ出なかったんですよ。”
Ⅺ. 対策してよかったこと(成功点)・もっと真剣に取り組むべきだったこと(反省点)
○対策してよかったこと(成功点)
先述した、「何も考えが浮かばない状況を避ける」ことの意識は成功点の一つだったかと思います。知識が乏しく具体例が全く思いつかないテーマが登場しても、字数不足による大幅減点を避けるために、とにかく何か書ききる!ということを守り抜いた点は良かったと考えています。
これは、参考書内のCBを把握し、様々な意見に触れたということが、(間接的ですが)有利に働いた結果だと思います。
○もっと真剣に取り組むべきだったこと(反省点)
反省点は、大きく分けて3つあります。
ⅰ. 取り組んだ問題の量が足りない
参考書を用いて様々な意見に触れるように努めはしたのですが、そこから派生させて自分自身の力でアイディアをひねって応用させる訓練が、1次試験の段階では不足していました。
その証拠として、1次試験の半年後(2次試験対策のために相当な量の問題をこなした後)に受験した「英検サンプルテスト」では、Writingで得点率88%を獲得できたんですね。サンプルテストでテーマの相性に救われた説もありますが、数をこなした後に解けばかなりの高得点を狙えることが分かりました。
※「英検サンプルテスト」とは?
英検協会が実施。今後作問の際の調査研究のために、直近の受験者から無作為に抽出して実施されるテスト。私の場合、英検1級と同レベルの問題を解きました。
↓私が受験したサンプルテストの結果はこちら
bayashi-studyroom.hatenablog.com
ⅱ. 背景知識が足りない
私のように、特定のテーマに対する知識が著しく不足していると、説得力に欠ける表面的な文章しか書けず、その結果高得点を獲得するのは難しいことをひしひしと痛感しました。
とは言いつつも、必要な知識は概ね義務教育でカバーできることにも気付きました(例えば経済制裁については、中学校の公民で簡単に触れるはずなので)。
中学生の頃に「詰め込み式」で覚えて高校受験に挑んだ社会科を、もう一度「意味を理解しながら」勉強する機会を、今後少しずつ作っていくつもりです。たとえ英検を今後受験することがなくとも、教養として知っておいて然るべき事項だと思いますので。
ⅲ. 自然な表現が分かっていない
私が実際に書いた解答をご確認いただくと分かるかと思いますが、「このような内容を伝えたいけれど、それが自然な言い回しなのか分からない・・・」という場面が多々ありました。2次試験においても、文法・語彙の項目で高得点を取れていないため、今後自然な単語の組み合わせ(コロケーション)・適切な文法の使用を意識した英作文・英会話を心掛けていきます。
次回予告
次回はSpeaking編(1回戦)になります。英会話・英作文の力が両方とも十分に備わっていないまま挑んだため、非常に苦戦した2次試験。
格好の良いことばかりを書けるわけではありませんが、回り道も含めて私がどのような道のりを辿ったか、ぜひご覧いただけますと幸いです。そしてそれが、現在1級取得のために奮闘されている皆様のお役に立てればと願っております。引き続きよろしくお願い致します。
ただ、英検関連の記事を出す前に、英語とは直接関係のない話題の記事(一応お勉強関係ではあります)を近日中に一つ執筆予定です。テーマはお楽しみに。
おまけ. 試験にあたって励みになっていた楽曲シリーズ
引き続き、英検1級対策期間中に励みになっていた楽曲をご紹介いたします。
3曲目は、武内千佳『夢は終わらない』
サビ部分「どこま~でも どこま~でも」のフレーズでお馴染みの、立志舎のCMソングです。
小中学生の頃(?)、家族とテレビを観ている際によく耳にした記憶があったのですが、この曲のフルバージョンが存在していたことは最近知りました。
全体の歌詞を見てみると、シンプルかつ真っすぐで素敵ですね。YouTube上のコメントにも沢山上がっておりますが、iTunes上で配信してくれればと思ってしまいます。笑