英検1級 合格までの道のり編 5-2. Speaking編(2次試験) 2回戦・本番編
今回は、英検1級2次試験2回戦の備忘録になります。
試験本番でこのような内容を話した・聞かれた、というメモをお示しできればと思います。
2回戦につきましては終了直後の手応えが非常に悪く、落ち込みのあまりやり取りに関するメモを取れていませんでした。
そのため、今ある記憶を寄せ集めての執筆となることをご理解頂けますと幸いです。。
■英検1級 合格までの道のり編 目次
※執筆済みの記事につきましては、今後章を緑色に変更し、文字上をクリック頂ければアクセスできるよう仕様に致します。
(5/1追記)「7. あとがき」を追加しました。
5-2. Speaking編(2次試験) 2回戦・本番編 ←当記事
Speaking・2回戦本番編 全体の構成
今回は、以下の構成でお送りしてまいります。
Ⅰ. 本番までの様子
Ⅱ. 試験本番
Ⅲ. 本番後の感想
Ⅳ. 試験結果・反省点等
おまけ. 試験にあたって励みになっていた楽曲シリーズ
Ⅰ. 本番までの様子
2021年11月23日(火祝)
2021年度第2回・C日程になります。祝日実施とは珍しいですね。
○会場到着
会場は、東京四ツ谷の「日米会話学院」。英語の検定試験の会場が語学学校になるとは、なんという偶然でしょうか。笑
写真の撮影時刻を確認すると、8:26(受付終了時刻は9:15でした)。1回戦同様、相当早めに到着したことになります。
○受付~控室
8:45頃受付開始。受験票と身分証の情報を照合した後、控室に案内されます。
ここまでは、1回戦と同じ流れになります。
控室は、15名程度が着席できる小教室でした。全員揃って参考書・自作ノートを眺めており、緊張ムードでしたね。
控室にて、面接カード(兼面接委員用の点数記入用紙)に個人情報を記入。記入ミスや漏れが無いよう、念入りにチェック。
その後、トイレで用を足すために教室内を移動。
そこで気付いた点が1つありました。
他の受験者の方の受験票をチラッと確認したところ、半分以上に「一次免除」の文字がありました。
「合格率60%台」という数値のみを見れば比較的易しめに見える英検1級2次試験ですが、この合格率は「何度も挑戦しており、実力を徐々に上げている方を母数に含んだ数値」ということが分かりました(当たり前と言えば当たり前か・・・?)。
したがって、1発で合格するほうが少数派と言えるかもしれませんね。合格に向けて苦戦しているのは自分だけではないと、少し安心感を覚えたものです。
待機中には、事前に用意していたスピーチの原稿を確認し、一人リハーサルのようなものをしていました(声は出さずにですが)。
○試験室の前まで移動
9:30頃、試験室の前まで移動するよう指示を受けます。この瞬間の心拍数の急上昇は、今後何度英検の面接に挑戦したとしても避けられないものなのでしょう。苦笑
Ⅱ. 面接本番
試験室の前で待機中、”Good morning~~”と我々に対して呟きながら、ネイティブ面接官が別の教室に入室。
その面接官、何と1回戦で担当して頂いた方でしたw
別の教室から面接官同士の雑談が聞こえたのですが・・・
「今回のトピックは、鉄板ネタばっかりやな~」というやり取りをしていたような記憶があります。準備していたスピーチトピックと全く同一のものが出題されるのか・・・?と少し期待したものです。
そしてスタッフの方から、「入室ください」の声が掛かります。いざ勝負!
面接官は、ネイティブ男性・日本人男性の組み合わせ。
ネイティブ男性のほうは、なんとイギリスアクセント。少し威圧感のある見た目でした。
日本人男性のほうは、寡黙かつ厳格そうな印象を受けました(勝手な予想なのですが、外大の先生なのかもしれません)。
この地点で、お二方の圧力に完全に委縮してしまったものです。
(厳格そうな見た目の方を前にすると、過剰に緊張が高まってしまうのが、私の欠点のひとつです・・・)
ⅰ.簡単な日常会話
以下2問質問されました。
「自己紹介をしてください」「お仕事は忙しいですか」
2問目の質問で、軽い事故が発生。
面接官の威圧感に押されるあまり、「顧客」を意味する単語が頭から吹っ飛んでしまいました。”I need to communicate with lots of ummm…like…like….you know…companies.”という、不自然なやり取りが発生(clientsが自然な言い方ですねw)。
これに対して特に反応はなく、面接官は無表情を貫かれていたので、「今のやってしまったか・・・?」と変な思考を巡らせたものです。汗
緊張をほぐすためのウォーミングアップのつもりが、むしろ逆効果になってしまいましたね・・・どうしたもんやら。
ⅱ. スピーチトピック選択・内容準備(1分)
面接カード(緑色)をひっくり返し、5種類のトピックを確認。
お題をざっくり眺めたところ、「過去問として見たことがあるテーマが多いが、事前に用意していたスピーチトピックは無い」という状況でした。
使い回しの問題が数問混じっていたことを踏まえると、入室前の面接官同士の雑談は本当だったようですね。
なお、使い回されていたトピック(なおかつ自身が覚えているもの)は、以下の2つです。
・日本は国際問題よりも国内の問題を優先すべきか?
・スポーツ選手にとって、ドーピングの使用は避けられない問題か?
事前に準備していなければ2分間話すのは難しいと判断し、この回では上記2つの問題は選ばないことにしました。
事前に準備していた原稿を使い回せそうなトピックが1つだけあったので、それを選ぶことに決定。
私が面接カードを見ていた段階でのトピックの解釈は、「監視社会は正当化されるか?」でした(後述するのですが、この解釈は誤りでした・・・)。
一方で、事前に原稿を準備していたスピーチトピックは、「プライバシーの侵害は、治安を守るためには正当化されるか?」というものでした。
内容かなり被ってるやんけ!勝った!と考え、事前に準備していた原稿をほぼ使い回してスピーチをすることにしました。
ⅲ. スピーチ(2分)
実際に選んだトピックの正確な英文はこちら(後日ネットで情報収集をして確認しました)。
Agree or disagree: Public surveillance is justified if it helps prevent crimes
(賛成か反対か:犯罪防止に役立つのであれば、公共の監視は正当化される)
○話した内容
以下に、喋った内容の要約をお示しします。
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答え:そう思う
理由①
政府や警察は、あくまで市民の安全を守るために個人情報にアクセスするのである。よく聞かれる批判として、プライバシーの侵害は人権侵害にあたるというものがある。しかし、人命がそれによって守られるのであれば、個人情報を侵害することはやむを得ないことである。
理由②
政府や警察がアクセスできる情報が限られると、反社会的な組織が犯罪行為を行うための助けになってしまう。例えば、プリペイド携帯が導入された際に、違法薬物の売人が薬物の取引のために使う事例があった。これは、警察が(プリペイド)携帯の通信を追跡することが難しいためである。この事例を踏まえると、公共機関がアクセスできる情報をもっと増やすべきだと考える。
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タイマーが鳴る前にスピーチ終了。面接官から「もう終わりですか?」などのツッコミは入らなかったため、2分間ギリギリまで話し切ったと思われます。
○スピーチ内での失敗
スピーチ内で、緊張のあまり失敗してしまった事項が2点ありますので、共有致します。
反面教師として頂けますと幸いですw
ⅰ. スピーチ開始時に腕時計を確認し忘れた
試験開始前の日常会話での失敗を引きずるあまり、スピーチ開始時に腕時計を確認し忘れました。結構致命的なミスです。
これでは、現時点で何秒経過しているのか把握できないので、どの地点でスピーチの締めの部分を話し始めるのか考えるのが、非常に難しくなります(緊張状態の中で、2分間の時間感覚を時計無しで把握できる方はまずいないと思います)。
※(当記事執筆時現在の情報ですが)スマートウォッチでなければ、試験中に腕時計を確認することは禁止されていません。
ⅱ. トピックの解釈ミス
これは、試験終了後にTwitterで情報収集していた時に気付きました。
私が選んだトピックをもう一度確認してみましょう。
Agree or disagree: Public surveillance is justified if it helps prevent crimes
(賛成か反対か:犯罪防止に役立つのであれば、公共の監視は正当化される)
Twitterを確認すると・・・
「監視カメラに関するトピック選んだ」「公共の監視についてが出た」等のツイートを観測。
ここで私は違和感を覚えました。
あれ、俺が話した内容と全然合ってなくない・・・?と。
「公共の監視」について問われているので、例えば「監視カメラ」「警察官の配置」等の是非について議論すべきでした。
しかし、私が話した内容は「プライバシーの侵害」についてでした。「監視」に触れている点ではお題に少しだけかすっていると言えますが、ズレた内容を喋っていたことになります。
振り返れば、途中から面接官が頷く回数が減っていったので、「何を話しているんだコイツは・・・?」と思われていたことでしょう。苦笑
ⅳ. Q&A(4分)
スピーチ終了後、質疑応答タイム。
4問質問されました。
Q1(ネイティブ) 一度聞き返しあり
この質問については、聞かれた内容・私が答えた内容ともに忘れてしまいました。ごめんなさい。
難しい質問だったので、答えに詰まりながら、3文程度で適当に返した記憶がありますw
(面接官は首を傾げてたので、トンチンカンな内容を答えていたものと思われます)
Q2(日本人) 一度聞き返しあり
監視と自由のバランスを取るための、具体的なアイディアはあるか?
A2. 難しい質問ですね・・・インターネットの広がりにより、監視とプライバシーの侵害について議論されるようになったように思う。あまりこの話題について考えたことが無かったのでこの答えが的確かどうか分からないが、政府による検閲についてのルールを細かく議論することが重要なのではないか。
(全然会話になっていませんね・・・本当に何を答えればいいのか分かりませんでしたw)
Q3(ネイティブ)
先程ネットの検閲に関してあなたは触れたけれど、「検閲」というものによって、市民が過剰な監視下に置かれるような社会(例:中国)に変わっていくのでは?という批判も聞かれる。これについてどう思う?
A3. インターネット上では、過激な言葉や差別的な書き込みによって、多くの人々が苦しんでいる。特に、少数派の方々に対する誹謗中傷は深刻な問題である。インターネット利用者の行動を適度に監視することで、差別や言葉の暴力による被害を軽減することができると思う。
Q4(日本人)
監視と自由のバランスを取るための、具体的なアイディアはあるか?
(Q2と同じ質問ですね・・・求めていた答えが返ってこなかったので、チャンスを与えてくださったと思われます)
A4. 監視カメラの設置という案も考えられるのではないか。これらの装置により、犯罪件数が減少したという研究結果がある。また、京王線で最近放火事件があったので、そういった犯罪の捜査に役立つのではないか・・・
(また同じ質問飛んできた・・・どう答えたらいいのかさっぱり分からん・・・と頭が真っ白になりました。そこで、京王線の放火事件について思い出したので、的外れでもいいからとりあえず喋ろう!と努力はしました)
4問目について話している途中、ネイティブ面接官より、「ごめん。もう終了!」とバッサリ切られました。
退室時、2人の面接官が点数をマークし始めていました。
審議の余地がないまま点数を付け始めたということは、迷いなく最低点にマークしている可能性あるかも・・・?と凹みながら、試験会場を後にしました。
Ⅲ. 本番後の感想
本番直後に抱いた感想は、以下の通りです。
「スピーチについては、模範解答通りの解答ができた。そこまで詰まることなく喋れていたかも。一方Q&Aは全然会話が成り立ってなかった・・・あかんやつや・・・」
前述の通り、その後Twitterで情報収集をした際に、トピックの解釈間違えに気付いたので、「唯一の希望だったスピーチも大幅減点か・・・?終わった・・・」と絶望感に襲われていました。
当日の夜、友人に会い夕食を食べたのですが、普段通りに振る舞うつもりが放心状態だったように見えていたかもしれません。申し訳ない・・・!
面接失敗してしまった・・・と、ネガティブな心情を吐露したにも関わらず、受け止めてくれました。大感謝です。
Ⅳ. 試験結果・反省点等
○試験結果
翌週結果をWEB上で確認。手応え通りしっかり不合格でした。
CSEスコア
各項目の素点
この回のC日程における合格ライン(素点)は27点。一方、私の素点計は26点。
1点差で不合格になった、ということになります。
現実の残酷さを突き付けられ、悔しさのあまり涙があふれて止まりませんでした。。(勿論、自宅の部屋でコッソリ泣いていました)
合格発表日は、ショックのあまり立ち直ることができませんでしたね・・・
とは言いつつも、1回戦と比較して成績は伸びていました。
つまり、対策が功を奏した点・反省点の両方が存在したと考えます。それらを記録したいと思います。
○対策して良かったと思う点
参考書・英語講師の方々の解答例を「インプット」する作業に重点を置いていたため、「最低限通じるレベルの英語」を話すことが出来た(=カタコト度合いが下がった)ように思います。
それを表す証拠として、前回5点だったGrammar and Vocabulary(語彙・文法)の項目が7点に上がりました。これは前向きに評価できる点だと考えます。
それに応じる(?)形で、スピーチ・質疑応答ともに及第点といえる6点が付きました。トピックの解釈を誤った・会話が全然成立しなかったにも関わらず、前回(両方とも5点)より点数が上がっていることに驚きました。
あくまで仮説にすぎませんが、「①最低限通じる英語を話す・②情報量が少なすぎない・③テーマに少しでもかすっている、の3条件を全て満たせば、少なくとも5段階中3の評価を頂ける可能性が高い」と言えるかもしれません。
○反省点
最も大きな反省点は、「自分で考えて答えを導く訓練」がまだ足りていない、ということです。
スピーチについては、暗記してきた原稿をそのまま話そうとしていましたし、質疑応答においても、相当的外れな内容を答えていました。
論理的かつスピーディーに答えを導く訓練を積み重ねていれば、このようなことにはなっていなかったはずです。
次回予告
2回戦は、1点差で不合格と非常に悔しい結果に終わりました。十分過ぎるほど味わった悔しさや反省点をバネに、3回戦でどのような改善を施したか、次回お送りしたいと思います。よろしくお願い致します。
おまけ. 試験にあたって励みになっていた楽曲シリーズ
引き続き、英検1級対策期間中に励みになっていた楽曲をご紹介いたします。
7曲目は、YA-KYIM『BAKUROCK ~未来の輪郭線~』
バクマンのEDで流されていた曲だそうです(ちなみに私は、バクマンについては1ミリも分かりませんw)。
大学受験の対策の際にもよく聴いており、心の支えになっていたと記憶しています。
P.S. これまでご紹介してきた曲を振り返れば、リリース年がすべて10年以上前(少し古い)です。
最近リリースされた曲について疎いということもあるのですが、中高生の頃に聴いていた曲を今でも好んで聴くことが多いですね。
ちなみにこの不思議な現象は、研究によって明らかにされていることであるようです。